Loading

土方巽

朔美の美は正統な不良性という魅力があり、「ああ不良を伝統している」と感じさせる手垢に汚れてない、ほりの深さにあいいでるものがあり、そのほりの深さの中に、精一ぱいのもろさが嬉々として騒いでいるとでもいった風な、なによりも眼の含のにがりっぽい厚みに清純な暗さがひそんでいるのが特徴です。

『土方巽全集Ⅱ』 河出書房新社 2005年8月